ラジオ体操の歴史

「新しい朝が来た、希望の朝だ・・・」。誰でもどこでも体ひとつでできる。朝、青空の下で、友達と、ご近所さんといっしょに、音楽にあわせてゆっくりと体を動かす。心が癒やされ、心身ともに健やかになるラジオ体操は、最近ではショッピングモールなどでのお年寄りの交流の場としても人気を呼んでいます。今年はラジオ体操制定90周年。旧逓信省簡易保険局(現在の㈱かんぽ生命保険)が制定した「国民保健体操」にまで遡ります。国営の簡易保険事業の一環として、1928年に「国民保健体操」という名前で制定し、NHK東京中央放送局で放送を開始しました(翌1929年には全国向け放送となりました)。
 戦前にラジオ体操は第1から第3まで制定されましたが、1946年にNHKが新たに文部省(現:文部科学省)等と協力して制作した2代目ラジオ体操(第1から第3)に切り替わりました。しかし、戦後の混乱期だったこともあり、普及せずに1947年に放送が中止されました。4年のブランクをへて郵政省簡易保険局が改めてNHK、文部省等と協力して制作したのが、現在のラジオ体操第1であり、これは1951年に放送が開始され(翌1952年にはラジオ体操第2も制定されました)、現在に至っています。
 現在NHKではラジオ、テレビで毎日放送しており、海外にも放送しています。

ラジオ体操会とは…

1928年当時のラジオ聴取契約者数は56万人でしたが、ラジオ体操がラジオから、レコードから流れるようになると、人々は家庭で、神社で、道路で、学校で、職場でと、それぞれの場所でラジオ体操を行うようになりました。それらが「ラジオ体操会」の始まりだったと思われますが、このような中で、東京神田万世橋署の面高巡査が、夏休みに子どもたちに規則正しい生活をさせようと1930年7月に佐久間小学校(現在の佐久間公園)で始めたのが、夏休みの朝のラジオ体操会の始まりとされています(諸説あります)。ラジオ体操制定50周年を記念して1978年に同公園に記念碑が設立されました。
 現在も全国各地で地域の皆さんが集うラジオ体操会がラジオやCDを使ってラジオ体操を行っています。健康長寿社会づくりに役立ち、地域コミュニティの活性化にも役立つということで、積極的に地元のラジオ体操会を後押しする自治体も増えてきています。2018年6月末現在、NPO法人全国ラジオ体操連盟に登録しているラジオ体操会の数は、およそ1800余りとなっています。

データ提供:株式会社かんぽ生命保険